
債務整理の最新機能とは
負担は約763万円(2010年度)にふくらむ見通しである。
2009年度は景気対策を含めて過去最高となる亜兆円の普通国債の新規発行があり、前回よりもその残高は8兆8000億円増加した。
また、同時点の地方の長期債務を加えると合計で816兆円程度になる。
景気対策のための財政出動、それを補う資金として国債発行高の増加は緊急経済対策としてはある程度はやむを得ないにしても、将来にわたって国民に大きな借金の負担を背負わせている厳しい現実は見逃すことができない。
国債の引き受け手はゆうちょ銀行と金融機関2009年9月末時点で過去最高の発行高になった国債をいったいだれが引き受けているのか。
は、ゆうちょ銀行を含んでの銀行等の40・7%、第2位は生保・損保等の18・8%、第3位は公的年金11・5%、第4位は日銀8・8%であり、以下海外7・0%、家計5・かんぼ生命を含む。
出所:日本銀行2%、年金基金3・9%等と続く。
この金融機関で保有されているのが現実の姿である。
米国の国債発行高の大半が中国と日本とで保有されているのと比較すると日本国債の引き受け手は日本国内がほとんどで、そのトップが銀行等の金融機関である。
この中で注目すべきは、郵政民営化で話題になった郵便局がらみの数字である。
ゆうちょ銀行約180兆円、かんぽ生命約120兆円、合計300兆年物国債の利率は2009年11月では年1・29%、国債の新規発行のたびにその引き受けは入札制度になっているものの、運用する側にとっては超低金利政策の中で国債は安全かつ有利というイメージがある。
このような国債を、ゆうちょ銀行をはじめ地銀、第2地銀、信用金庫、信用組合等の地域金融機関が多く保有している。
これは低迷する景気動向の中で前向きな資金需要が極めて乏しいことの反映でもある。
こうした地元での資金需要が減少している中で資金の運用面から見る限り国債は、金融機関にとっては格好の金融商品であるだろう。
本来なら地元企業に積極的に融資をして地元の再生の一端を担う地域金融機関の姿があるはずだが、残念ながら新規に企業を起こしたり、また工場など設備投資を意欲的にしたりする企業は少ない。
こうした前向きな資金需要が地元企業から起こらないというジレンマの中での資金運用面での国債の選択である。
地域による格差や金融機関による違いはあるが、地域金融機関の総預金に対する国債保有率は大体15~20%前後にも達している。
また、国債の大量発行が話題になっているが、企業などからの資金需要が低迷する中、預金の方は将来の生活の不安に備えて多く集まっており、現状ではこの預金と貸出金の差、いわゆる預貸率は低くなる一方である。
したがって国債が現状市場で全く引き受け手がなくなるという事態は当面避けられる状況下にある。
国債増発による悪循環国や地方の財政難を救うには、図表8の通り消費税を含む増税、環境税などの新税の創出による歳入増、国有財産の売却による資金の捻出、無駄な経費の抑制による歳出減等があるが、財政改善には何としても景気回復による税収の増加を図ることが必要であろう。
財政と景気との関係で二つの見方がある。
一つはデフレ待望論である。
物価の値下がりが続くデフレ現象が続けば、当面は超低金利政策を続けなければならないため、国債の利払いの負担分(大体税収の15~20%程度)がそのまま据え置かれ、借金が借金を作る事態が避けられるという考えである。
もう一つはインフレ待望論である。
インフレが持続的に続けば国債の返還の負担は相当に軽くなるという考えである。
しかし景気回復、インフレ傾向になると金利は上昇、特に長期金利の上昇も免れず、その分国債の利払い負担は実質増加するという恐れがある。
要はそのタイミングにあるが、日本国債の救いはそのほとんどを日本の法人や個人が保有している点である。
新規国債は入札制、また既発債は市場にて自由に売買されているが、国債増発の中で、一部で心配されるのは市場での長期金利の上昇に伴って既発債を中心とした国債の価格が下落して国債への人気が下落することであろう。
国債を引き受けた多くの金融機関は、決算時点で国債の時価評価をせざるを得なくなり、その時価が取得価格時より大幅な評価損を発生させるということも状況次第では起こりうることである。
それによって銀行の経営が不安定になる。
いいかえると大幅な評価損の発生は、自己資本比率の悪化を招くことになる。
金融機関はそうした事態を防ぐため総資産の抑制、いいかえると貸し渋りや貸しはがしを復活させることになりかねない。
そうした点で国債の大量の発行、さらにはそれに伴う長期金利の動向は極めて注目されるシグナルである。
金融機関の経営が危機状態になれば、再び公的資金(国債依存)を利用せざるを得なくなる。
するとその資金を捻出するため、さらに国債が雪だるま式に増え、一層国民負担が増加するという悪循環に陥る。
財政改善の対策には景気の回復が望まれるが、景気は財政の出動だけでは解決しない。
やはり、国内総生産の上昇が不可欠である。
その動向を左右するのは企業の設備投資意欲と消費者心理だろう。
一層の構造改革、規制媛和が求められる要因でもある。
郵政民営化の見直しの新社長に元大蔵事務次官起用の真の狙いとは郵便局の民営化の流れは、図表9の通りであるが、この郵政見直しの切り札的存在として日本郵政の新社長に斎藤次郎元大蔵事務次官を起用した。
「民から官へ」の逆行への不安、天下りのシンボル的存在である元大蔵事務次官の起用に関してなぜ民間から経起用による国の財政の一元化を図るものと指摘する向きもある。
郵政民営化の見直し、そして新社長に元大蔵事務次官の起用は、財務省による財源の一元化、国債の大量発行に備えてのゆうちょ銀行の大量引き受けの体制づくりと考える見方もある。
そこには国民の目線に立った施策は何も見当たらない。
むしろこの4年間は構造改革に名を借りた「郵政民営化」という抗争を絡めての無駄なエネルギーの費やし方をした。
真の構造改革とは官から民への大幅な権限の委譲とそれに伴う国際競争力を持った産業の創出にある。
いいかえると医療・介護・教育・環境・新エネルギー開発など新分野への企業の進出が望まれているのだ。
「いざ金が必要という時に気軽に融資に応じて企業を助けてくれなければメインバンクなどその存在意義も必要性もない」とか「メインバンクといっても預金や投資信託の加入ばかり押し付けてくる。
肝心な商売に必要な情報などの提供は全くない」等、中小企業側からのメインバンクに対する反発は強い。
これに対してメインバンクを自任する銀行は融資シェアの拡大を図り融資の条件として会社ぐるみ、家族ぐるみの取引を狙っている。
このように見ると中小企業がメインバンクに望んでいる期待とは相当の温度差があるのが現状である。
日本的な金融風土ともいわれているメインバンク制が急速に崩壊してからすでに10年以上も経っている。
かつてはこのメインバンク制は株式持合い、人材派遣、間接金融の3点セットの中で、高度成長下で資金不足に陥っている企業を支援してきた。
旧財閥系の6大グループ(三菱、三井、住友、三和、第一勧業、芙蓉)がその典型的なケースである。
それがバブル崩壊後の巨大な不良債権の処理による各銀行の体力不足、さらに金融自由化、グローバル時代到来の中で図表10の通り大手行はそれまで23行あったが、6大銀行グループに再編成され、メインバンク制も大きく崩れてきた。
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